伊予神楽は全部で35番あり、そのうちの1〜6番並びに35番は祭式の部分にあたり舞はありません。また、7番の天地開楽は太鼓と神祇歌のみです。
- 一番 天神地祓勧請太麻之事
- 天神地神を迎える式です。
- 二番 一損座着之事
- 神楽神主一同が
- 祭神楽の座に着きます。
三番 神酒頂載之事 神主は身体を清める神酒を頂戴します。
四番 榊の手洗之事 清め祓いの神事のひとつで榊の葉を手に
取り口に寄せて禊祓詞を述べ、次に榊葉
を二つに割って分に割き左右の肩を投げ
越します。
- 五番 奉幣大麻之事
- ご神前ならびに五方の神々に
- 幣帛を奉ります。
- 六番 御祓之事
- 奉仕神職全員で中臣祓などの
- 祓詞を奉上します。
- 七番 天地開楽之事 太鼓に合わせて天地開楽の神祓を奉上します。
- 八番 巫女之神楽之事
- 巫女の姿をし、鈴を持ち、
- 千早の袖をなびかせて
- 舞います。
- 九番 諸神造酒祭之事
- 四人の舞で、四方の神々に
- お神酒を奉る舞です。
- 十番 式三番舞の口明之事
- 一人舞で、シデ(紙垂)や扇を
- 持って四方の神々を寄せ迎
- えて神遊びを行います。
- 十一番 喜余女手草之舞之事
- 二人舞で、榊の枝を両手に持って、
- 氏子と四方の海川山野の全てを
- 祓い清めます。
- 十二番 悪魔払之事
- 四人舞で、直垂を着て
- 引立烏帽子に太刀を
- 腰に下げシデ(紙垂)を
- 持って四方の悪魔を
- 祓います。
- 十三番 大蛇之舞之事
- 鬼神が乱入して神々を困らせますが、
- 後に善神に立帰り氏子に幸をもたら
- します。鬼と神々のの問答が面白く、
- 勢害(せがい)と呼ばれる神々や
- 氏子たちと相撲をとり神楽を盛り
- 上げます。
- 十四番 神清浄舞之事
- 二人舞いで、鈴とシデ(紙垂)を持ち、
- 神々を迎えて礼拝します。
- 十五番 弓之舞之事
- 一人舞で弓の神威で国中の
- 災いや悪霊を退散させます。
- 十六番 御崎神祓舞之事
- 二人舞で、四方の神々に黄金の
- 稲穂を捧げて拝礼します。
- 十七番 四剣天舞之事
- 四人舞いで、東西南北の四人の
- 皇子が神剣で悪魔を祓い国土を
- 固めます
- 十八番 花神祓之舞之事
- 一人舞いで、天地の神々に切麻散米を
- 供えて祈願します。両手に盆を持ちなが
- ら回転やでんぐりかえりをしたりする等、
- 盆さばきが見所です。
- 十九番 仁天剣舞之事
- 二人舞いで、神剣を持って
- 悪魔を祓います。
- 二十番 内舞之事
- 一人舞いで、山の神のお使いと言う
- 神霊によって、榊枝の束で山を守り
- 治めます。能を思わせる幽艶な風貌
- とメリハリのある舞とが調和し、非常
- に趣のある舞です。
- 二十一番 火焼之舞之事
- 二人舞いでその他に鎮火をする神主が
- 一人付きます。神火を持って四方を祓い
- 罪穢を焼滅して国土を清めます。
- 二十二番 長刀矛之舞之事
- 二人舞いで、太刀と長刀を持って、
- 長刀矛の神威で四方を祓い国土の
- 基礎を固めます。
- 二十三番 古今老神之舞之事
- 一人舞いで、天児屋根命の神霊と
- 言う翁が八百万の神々を集め国土
- 安隠を祈願します。
- 二十四番 飛出手力男之舞之事
- 手力男命(たじからおのみこと)の神霊が
- 悪難の霊を退散させ天下泰平、国土安隠
- を祈願します。
- 二十五番 神体鈿女之神楽舞之事
- 一人舞いで、岩戸の前で大神を和め、
- またいさめて天下泰平を祈ります。
- 大変妖艶な魅力を持った舞です。
- 二十六番 東方之神皇子之舞之事
二十七番 右大臣之舞之事
二十八番 南方之神皇子之舞之事
二十九番 西方之神皇子之舞之事
三十番 北方之神皇子之舞之事
三十一番 中央之神皇子之舞之事
三十二番 右大臣之舞之事
三十三番 政所翁之舞之事
- 26番から33番までは連続した舞いで、
- 春夏秋冬の月日の配分を問答や舞いで
- 理解する物語風の神楽です。
- 三十四番 妙剣之舞之事
- 一人舞いで、妙剣を持って
- 氏子鎮護を祈念します。
- 三十五番 神送神楽之事
- 神職全員で成就の祓詞を奉上して、
- 厳かな警跿(けいせつ)の声の中、
- 昇神の儀を経て神楽は終了します。